【Python初心者向け】venvでスッキリ環境構築!プロジェクトごとの独立性を保つ秘訣 #1
はじめに:なぜPythonで「仮想環境」が必要なの?
こんにちは! Pythonでプログラミングを始めたばかりの皆さん、あるいは少し慣れてきた皆さん。 「仮想環境」という言葉を聞いたことがありますか? (インストール方法はこちら)
「なんだか難しそう…」「自分にはまだ早いかな?」
そう思うかもしれません。でも実は、この仮想環境、Pythonで開発を進めていく上でめちゃくちゃ重要な考え方なんです!
例えばこんな経験ありませんか?
- あるプロジェクトではライブラリAのバージョン1.0を使っていたけど、新しいプロジェクトではバージョン2.0を使いたい。
- チュートリアル通りにライブラリをインストールしたら、以前作った別のプログラムが動かなくなった…。
これらは、Pythonの環境が一つしかない(これを「グローバル環境」や「システム環境」と呼びます)ために起こりがちな問題です。
仮想環境を使うと、プロジェクトごとに独立したPythonの実行環境を作ることができます。それぞれの環境に必要なライブラリやそのバージョンを個別に管理できるので、上記のような「バージョン競合」の問題をスッキリ解決できるんです!
この記事では、Pythonに標準で備わっているvenv
というツールを使って、簡単に仮想環境を構築し、管理する方法をWindowsとmacOS/Linuxユーザー向けに解説します。
venv
って何?
venv
(ヴィーエンブ、またはブイエンブと読みます)は、Python 3.3以降に標準で搭載されている仮想環境作成ツールです。
標準機能なので、追加で何かをインストールする必要がなく、手軽に使い始められるのが大きなメリットです。
venv
を使った仮想環境の構築ステップ
それでは、実際にvenv
を使って仮想環境を作ってみましょう!
コマンドプロンプト(Windows)またはターミナル(macOS/Linux)を使います。
1. プロジェクト用のフォルダを作成する
まず、あなたのプロジェクト用のフォルダを作りましょう。
デスクトップやドキュメントフォルダなど、好きな場所に新しいフォルダを作成してください。
ここでは例として myproject
という名前のフォルダを作ったとします。
2. コマンドプロンプト/ターミナルでプロジェクトフォルダに移動する
コマンドプロンプトまたはターミナルを開き、cd
コマンドで先ほど作成したプロジェクトフォルダに移動します。
- Windows の場合:
(例:cd path\to\myproject
)cd C:\Users\YourName\Desktop\myproject
- macOS/Linux の場合:
(例:cd path/to/myproject
cd /Users/YourName/Desktop/myproject
)

3. 仮想環境を作成する
プロジェクトフォルダ内で、以下のコマンドを実行して仮想環境を作成します。
<仮想環境名>
の部分は、自分で好きな名前をつけられます。一般的には venv
や .venv
といった名前がよく使われます。ここでは myenv
という名前にしてみましょう。
(myenvは例です。好きな名前をつけて問題ありません。)
python -m venv myenv
(もし python3
コマンドでPython 3系を起動している場合は
python -m venv myenv
としてください)このコマンドを実行すると、プロジェクトフォルダ(myproject
)の中に myenv
という名前の新しいフォルダが作成されます。この myenv
フォルダが、あなたの仮想環境の実体です。
4. 仮想環境を有効化(アクティベート)する
作成した仮想環境を使うには、「有効化(アクティベート)」という作業が必要です。 OSによってコマンドが異なります。
- Windows の場合 (コマンドプロンプト):
(PowerShellの場合はmyenv\Scripts\activate
myenv\Scripts\Activate.ps1
を実行しますが、実行ポリシーの変更が必要な場合があります。最初はコマンドプロンプトがおすすめです) - macOS/Linux の場合 (bash/zsh):
source myenv/bin/activate
コマンドを実行すると、コマンドプロンプト/ターミナルの行頭(プロンプト)に (myenv)
のように、作成した仮想環境名が表示されるはずです。これが、仮想環境が有効になっている印です!
5. 仮想環境にパッケージをインストールする
仮想環境が有効な状態で pip install <パッケージ名>
を実行すると、そのパッケージはこの仮想環境内にのみインストールされます。グローバル環境や他の仮想環境には影響しません。
試しに、人気のHTTPライブラリである requests
をインストールしてみましょう。
pip install requests
インストールが完了したら、pip list
コマンドで、この仮想環境にインストールされているパッケージを確認できます。requests
とその依存パッケージが入っているはずです。
6. 仮想環境を無効化(ディアクティベート)する
仮想環境での作業が終わったら、無効化(ディアクティベート)します。 以下のコマンドを実行してください。これはWindowsでもmacOS/Linuxでも共通です。
deactivate
実行すると、プロンプトの行頭から (myenv)
の表示が消え、元の状態に戻ります。
これで仮想環境から抜けました。
7. 仮想環境を削除するには?
もし仮想環境が不要になったら、プロジェクトフォルダ内に作成された仮想環境のフォルダ(この例では myenv
フォルダ)をそのまま削除すればOKです。とても簡単ですね!
【おまけ】プロジェクトで使うパッケージを管理する (requirements.txt
)
複数の人で開発したり、別のPCで同じ環境を再現したりするときに便利なのが requirements.txt
ファイルです。
- 現在の環境のパッケージ一覧を保存:
仮想環境が有効な状態で、以下のコマンドを実行すると、インストールされているパッケージとそのバージョンが
requirements.txt
というファイルに保存されます。pip freeze > requirements.txt
requirements.txt
からパッケージを一括インストール: 新しい環境で、このrequirements.txt
を使って同じパッケージを一括でインストールできます。 これはチーム開発やデプロイ時に非常に役立ちます!pip install -r requirements.txt
まとめ:仮想環境を使いこなして、快適なPythonライフを!
今回は、Pythonの標準機能である venv
を使って仮想環境を構築・管理する方法をご紹介しました。
最初は少し手順が多く感じるかもしれませんが、慣れてしまえば簡単です。 新しいPythonプロジェクトを始めるときは、まず仮想環境を作る! これを習慣にすることで、未来の自分を助けることになります。
- ライブラリのバージョン競合に悩まされなくなる
- プロジェクトごとに環境をクリーンに保てる
- 他の人と環境を共有しやすくなる
など、メリットがたくさんあります。ぜひ今日から活用してみてください!
【Pythonデータ分析入門】Pandasで表データ操作自由自在!CSV読込から簡単集計まで
コメント
コメントを投稿